よく聞くけどインフレって何なの?
経済を語る上では絶対外せない概念の1つだね。今回はインフレについて完全解説していくよ!
インフレってそもそもなに?
インフレを一言で表すと物価が継続的に上昇している状態や時期を指します。
つまり、元々100円で買えていたジュースが100円では買えなくなるってことね…
『物価が高い』というとその瞬間の物価高を表しますが、『インフレ』というと数年スパンで物価が高くなっている時期を表します。
コンビニやスーパーの物が値上がりしていって、下がるどころかドンドン値上がりしていく状況ってありますよね。
あれこそがインフレです。
そして物価が上がっていくことにより、みんなが物を買う意欲や経済力が下がりやすくなります。
そのため過度なインフレは不景気につながる可能性さえあるのです。
ちなみにインフレ率は、消費者価格指数(CPI)などの指標を用いて計測され、経済の健全性を判断する上で重要な要素の一つとされています。
インフレの原因ってなんなの?
インフレには様々な原因がありますが、主に以下の二つがあります。
- 需要過多によるインフレ(需要超過インフレ)
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経済が好調で、消費者の購買意欲が高まると、商品やサービスへの需要が供給を上回ることがあります。
この需要の増加が供給を上回ると、価格が上昇しインフレが発生します。
- 海外からの仕入れ価格値上げによるインフレ(コストプッシュインフレ)
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原材料のコスト上昇や、労働コストの増加など、生産コストの上昇が価格に転嫁されることで発生します。
上記二つを簡単にまとめましょう。
まず需要が多くなりすぎることで起きるインフレ。
コロナ時期のマスク不足あたりがイメージしやすいかもしれません。
あの頃はマスクの需要がとんでもなく増えて、街中からマスクが姿を消しました。
マスクが店頭になかったのは供給不足だね。
あまりの需要過多に製造が追いつかなかったんだ。
このとき、一部のマスクが普段よりも高い価格で売られていたのをご存知ですか?
これこそがインフレの一端。
この時はマスクという限定的な需要かつ、価格も極端に高いものではありませんでした。
そのため極端なインフレのトリガーにはならずに済みました。
しかし経済が活気づきすぎると、みんなの購買意欲が爆発するため、スーパーやデパート、ネットでの購入品などの幅広い部分でこの需要が加熱するのです。
これが需要過多によるインフレね
そしてもうひとつが海外からの輸入品の仕入れ価格が値上がりすることによるインフレ。
例えば海外から原料を100円で仕入れて、日本で150円で売る商品があるとします。
このとき利益は50円です。(150円−100円)
しかし100円で仕入れていた海外の原料が120円になったらどうしましょう?
原料が120円に値上がりしても、販売価格が150円のままだったら利益が30円しか出ません。(150円−120円)
これでは給料を始めとした様々な支払いができませんね。
そのためここでは渋々120円の仕入れに50円の利益を乗せた170円で販売するわけです。
あっ、値段があがった!
まさにインフレの瞬間を目撃したね…
170円に値上げすることで、ようやく元々の利益50円が確保できます。(170円−120円)
企業からすると利益は50円であることに変わりは無いため、特に嬉しくはありません。
それどころか値上がりしたことで販売品が購入されなくなるリスクが出てくるだけです。
なるほど、こういった現象が積み重なって国内がインフレになるんだね
実際にはこれら以外にも、自然災害や政治的な不安定さが原因で供給が減少し、それが価格上昇につながる場合もあります。
インフレになると私たちにどんな影響がある?
インフレが進行すると、以下のような影響が考えられます。
- 生活費の増加
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食料品や家賃など日常生活に必要なものの価格が上昇し、生活維持費が増加します。
- 購買力の低下
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お金の価値が下がり、同じ金額で購入できる商品やサービスの量が減少します。
- 貯蓄の価値低下
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銀行に預けている貯金の実質的な価値が低下します。
特に、インフレ率が預金の利息率を上回る場合、実質的な購買力は減少します。
物価が上がるっていうのはやっぱりキツいね
ただしインフレ=ネガティブでは決してありませんし、適度なインフレは経済をもっとも活性化させるとも言われます。
例えばお給料。
そのときのインフレが需要過多によるキッカケで起きたものなら、国民の購買意欲が高まっている可能性が高いです。
となると企業の商品もどんどん売れるため、雇用されている方のお給料は上がりやすくなります。
物価が100円高くなっても、お給料が200円上がったとしたら経済的には豊かになったといえるでしょう。
インフレになったら何をすべき?
インフレへの対応策は、個人の経済状況や目的によって異なりますが、以下のような方法が考えられます。
- 予算管理の徹底
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支出を抑え、必要なものとそうでないものを区別し、無駄遣いを減らします。
- 貯蓄・投資戦略の見直し
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インフレに強い資産への投資や、利息がインフレ率を上回る金融商品への投資を検討します。
特に貯蓄・投資の見直し は重要です。
インフレのとき、実はお金の価値は下がっています。
(※物価が上がるとお金の価値は下がるようになっています)
そのため銀行預金をしているままだとお金は目減りしていくだけなのです。
100万円預けていて95万円に減るわけではないけど、物価が上がると、100万円入っていてもその100万円では値上がりした影響で95万円分しか物が買えなくなる…みたいなことね。
ここが意外と理解されていない方が多いのですが、貯蓄額が変わらなくても物価が上がりつづければ相対的に貯蓄額の価値はどんどん下がっていくのです。
100万円を銀行預金に預けている間に物価が上がり、100万円の中古車が105万円になってしまったら、その貯蓄額で中古車を買うことはもう出来なくなります。
そのため円だけでなく投資信託などの長期投資をして目減りの影響を減らすことが大事なのです。
インフレが理解出来た気がします!
あとはたまにインフレとインフラがごっちゃになってる人がいるので気をつけてね。間違えるとめちゃくちゃ恥ずかしいよ。
※インフラとは公共設備のことです。
ぜひ参考にされてください。